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2023年03月01日入れ歯
入れ歯
皆さんのまわりには入れ歯で困っていらっしゃる方はいませんか?
歯を失ってしまった場所の噛み合わせを補うために使用する入れ歯ですが、作り方によってその使い勝手は全く異なります。
使いにくい入れ歯は調整や修理で改善することもありますし、作り直すことで快適さを得られることもあるでしょう。
入れ歯の悩みのある方は歯科医院にて診てもらうことをおすすめします。
歯を失ったままや、入れ歯が合わない状態にしておくと他の歯や歯肉にも影響が出てしまいます。
歯を失ったままにした時、周りの歯は空いたスペースに動き始めてしまいます。左右の歯は歯のないところに倒れ込み、反対側の噛み合うはずの歯が上へ上がってきてしまいます。
これにより口腔内の噛み合わせのバランスが悪くなり、他の歯や歯肉、顎関節など様々な障害の起点となってしまうのです。
入れ歯が合わない場合にも不具合は大きく出ます。
まず噛み合わせに関しては先に述べたように、噛み合わせの不調和が起点となり様々な症状が出てしまいます。
義歯床(歯茎と触れるピンクの部分)のあたりが合ってない方は歯茎が痛い、物が挟まる、入れ歯が取れるといった症状が現れます。
当りが強い場合には小さい傷から潰瘍といった形にもなってしまいます。また慢性的な刺激は腫瘍病変などを作る原因にもなり得るので注意が必要です。
入れ歯に隙間がある場合には会話や食事に影響し、栄養摂取などに影響する事もあるでしょう。
不具合のある時にはまず原因を診てもらいましょう。
歯を失った部位の回復する手法には『入れ歯』『インプラント』『ブリッジ』といった方法がありますが、『入れ歯』にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリット
・費用が安い(保険適応の入れ歯であれば費用が抑えられる。)
・隣の歯を大きく削らないで済む。
・広範囲の欠損部であっても対応し易い。
・装着後にも調整が容易。
・修理がきく。
・取り外して洗える。
デメリット
・食べかすが挟まり易い。
・歯肉にのるため違和感を感じ易い。
・部分入れ歯のバネが目立つ。
上記のようなメリット・デメリットを理解した上、噛み合わせの再建は術者とよく相談することをお勧めします。
この入れ歯のデメリットの数点は場合によっては保険適応外の入れ歯で解決できるものもあります。
保険外の総入れ歯の場合、金属床を用いることで入れ歯の厚みを非常に薄くすることが可能です。それにより保険の入れ歯よりも装着感が快適になります。また金属はプラスチックよりも熱伝導率が高いため温度感覚を保ったまま食事ができるというメリットもあります。
デメリットとしては保険の適応にならないので費用的負担が大きくなります。
部分入れ歯の場合には保険適応外のものではノンクラスプデンチャーと言って金属のバネ(クラスプ)を使用しないものや、ホワイトクラスプという白や透明な目立たない残った歯にかけるバネを用いることができます。どちらも見た目や装着感といったところで保険のものよりもメリットがあります。
入れ歯だけに関わらず、保険の治療、保険外診療のメリット・デメリット、その治療の価値などを見極めルことが大切です。術前にしっかりと相談しましょう。
入れ歯は新しくするにしても、今お使いのものを調整するにも歯茎への触れさせ方や噛み合わせの当て方など様々な要素でその快適さは大きく差が出ます。
何度調整してもうまく噛めない、使えないという方は是非一度ご相談ください。
📍上越市 高田
医療法人社団 三上歯科医院
2023年02月28日根面う蝕(根っこの虫歯)
皆さんは根面のむし歯を知っていますか?
今回は皆さんに知っていてほしい、根面のむし歯についてお話します🥺
始めに根面のむし歯とは、歯周病や加齢などにより歯ぐきが下がり、露出した歯の根にできるむし歯のことです。
露出した歯の根面(象牙質)は、ヒトの身体の中で最も硬い組織の歯冠部(エナメル質)よりも軟らかく、酸に弱いことで、むし歯のリスクが非常に高いです💦
そして、、、
根面のむし歯は『とても厄介なむし歯』なのです😔なぜ厄介なのか。大きく分けて5つの理由があります。
・早期の発見が難しい
→歯冠部にできるむし歯は、初期の頃は白く濁るため分かりやすいですが、根面の象牙質はもともと黄色みがかっていて、白く濁ることなく、うっすら色が変化する程度のため初期の発見は非常に難しいのです。
・自覚症状がないことが多い
→根面のむし歯には、「痛い」「しみる」などの自覚症状がほとんどありません。また、くちびるで隠れる位置にできるため鏡などでも見えづらく、むし歯になっていることに気づかないまま進行していることもあり、気づいた時には歯を残すことが難しくなってしまう場合もあります。
・歯ブラシが届きにくい
→根面は歯ブラシが届きにくく、磨き残しが多くなる場所です。当てているつもりでも当たっていないこともあり、セルフケアが難しいです。
・歯の象牙質は酸に弱く溶けやすい
→ 歯根を構成する象牙質はエナメル質よりも酸に弱く溶けやすいため、磨き残してしまった細菌の影響も受けやすいです。
・治療が難しく、治療後も長持ちしにくい
→根面のむし歯は進行している場合、注意しながら治療器具を当てないと歯が折れてしまったり、歯ぐきで隠れているところに広がっている場合、治療器具が届かず、むし歯を取り除くことも詰め物の治療をすることも難しいです。詰め物の治療が難しい場合、歯の神経の治療をして被せ物を入れることもありますが、被せ物の治療も難しい場合には、抜歯となってしまうこともあります。
また、治療できた歯も以前より弱くなってしまうため、長持ちしにくく、審美性も損なわれてしまうことが多いです。
以上の理由で歯根のう蝕(虫歯)には警戒する必要があるのです。
ではどんな方に根面う蝕が起きやすいのでしょうか?
カリエスリスク(虫歯のリスク)が高い方
虫歯が多発傾向にある方は当然、歯根面の虫歯のリスクが高いです。
治療の痕跡の多い方
治療が施され、虫歯がない状態だとしても、CR(詰め物)、クラウンやインレーといった補綴物(被せ物)が多い方は虫歯ができるような食習慣があり、リスクは高いと言えます。また治療した詰め物や被せ物の境目の部分から虫歯が進行してしまうと直視できない部分で根面う蝕が進み、発見が遅れてしまうことがあります。処置した歯も油断せず、段差など適合の悪い修復物は精度の高いものにやりかえることを、おすすめします。
部分入れ歯を使用中の方
部分入れ歯はバネの欠けている歯の虫歯リスクが高いです。歯と金属のバネ(クラスプ)の接触面はプラーク(磨き残し)が停滞しやすいためリスクが高まります。
歯茎が下がっている方
加齢や歯周病の罹患により歯肉退縮を起こした方は歯根面が歯肉より上に暴露し虫歯のリスクが高まります。重度歯周病の場合、全く虫歯がない方もいますが歯周病治療により歯周病菌が減少し虫歯菌が優位になってくる時期があります。治療により歯肉が引き締まり、歯肉の位置が変化することで虫歯リスクが高まることがあります。治療が終えたあとも安心せず歯周病、虫歯ともにリスク軽減すべく予防が大切です。
では、もし歯根面う蝕が起きたらどうするのか?
軽度の場合
進行が深く進んでいない場合にはCR(詰め物)で対応することができます。被せ物の縁から進行している場合には虫歯を除去し被せなおすことで対応できます。
重度の場合
重度の進行した場合には最悪、抜歯となる場合があります。
ですが、条件次第では歯を残せる場合があります。
・虫歯が深く神経まで達している場合
虫歯が深く神経まで達している場合には抜髄処置(神経をとる)ことで修復できる場合があります。ただし神経を取った歯は歯根破折のリスクが高まりますので治療後は今まで以上に注意が必要です。
・虫歯が歯茎や歯槽骨より深く進行した場合
虫歯が歯茎や歯槽骨より深く進行した場合は抜歯となることが多いですが歯根の長さが長い場合には意図的挺出、歯冠延長術といった術式で保存できる場合もあります。
意図的挺出とは歯を意図的に歯茎や骨の上まで引き上げる術式です。歯茎や骨の深い部分まで進行した虫歯はこのままでは修復不可能なので人為的に歯肉・歯槽骨の上部まで歯を引っ張り上げます。意図的挺出には自然挺出、外科的挺出、矯正的挺出といった手法があります。
自然挺出はその名の通り、自然に挺出させます。虫歯を取り切った状態で放置し、歯の萌出力(歯が生えてこようとする力)を利用して挺出させます。外的な力は与えませんが時間がかかります。また自然な力を利用するため引き上げる方向のコントロールが術者側でし難いデメリットがあります。
次に外科的挺出。こちらは外科的に一度はを抜歯し、健康な歯牙組織が歯肉より上にくる位置で固定する方法です。抜歯後すぐに戻し縫合や接着剤などで位置を固定します。歯が再度生着すれば早い結果を得られるメリットがあります。ただし、抜歯操作時に薄くなった歯質が割れたりし抜歯に至るリスクがあるというデメリットもあります。
最後に矯正的挺出です。こちらは部分的に歯の矯正ワイヤーを利用して歯を挺出させます。ゴムを埋まっている歯につけて牽引します。他の挺出手技し比較して良い点は、引っ張り上げる方向をコントロールしやすい点と安全に引っ張り上げる点です。当院での挺出では一番選択頻度が高いです。デメリットがあるとすれば、外科的挺出に比べると時間がかかる点、またワイヤー装着時期の口腔内の違和感が強いなどといった点でしょう。
この矯正的挺出は審美歯科領域での歯肉ラインのコントロールの際にも応用する場合があります。安全かつ確実に挺出できるため1番のおすすめです。
このように対処の仕方はあるものの治療が複雑になったり、挺出処置のように保険外診療となり医療費の負担が増えてしまう場合もあります。
治療が難しい根面のむし歯に大切なことは、『予防と進行抑制』です。具体的にどんなことをしたらいいのでしょうか。
・歯科医院への定期受診
・歯科医院でのフッ素塗布
・フッ素洗口液や高濃度フッ素入りの歯磨き粉を使用する。
根面のむし歯は早期に発見できるほど歯を長く残せる可能性が高まります。根面のむし歯について知った今、自分自身の歯と向き合ってみませんか?😊
📍上越市 高田
医療法人社団 三上歯科医院
2023年02月27日噛み合わせのバランス
みなさん自分の噛み合わせのチェックはしてもらっていますか?虫歯や歯周病の心配が全くない、被せ物をして完治したという方も噛み合わせのバランスは時々見てもらうことをお勧めします健康な方の天然の歯や被せ物も経年的にすり減ったりと必ず変化が起こってきます。全く症状が無くとも過剰な力がかかっている時にはうっすらひび割れてきたり、欠けたり、歯を支える骨や歯茎に変化をもたらしていることがあります。そんな、ちょっとした変化を確認することで歯が折れて抜くなどといった将来のトラブルを未然に予防することができます。歯科での定期検診は虫歯や歯周病の予防だけではなく噛み合わせもしっかり見てもらいましょう。必要があれば噛み合わせの微調整をして全体の咬合バランスをとります特にインプラント治療をしていたり、ジルコニアなどの硬い被せ物をしている方々は細かいチェックが必要です確かに骨と強固にくっついているインプラントや非常に硬い被せ物などは力がかかり過ぎても壊れたりしないので長持ちします。では過剰にかかった力の負担はどこに行くのでしょう?それはその歯やインプラントを支える歯根(歯の根の部分)や骨などの組織またはその歯と噛み合っている歯です力に耐えられずに被せ物が壊れ分には作り換えで済みますが歯根が折れたり、骨が吸収してしまった場合にはその組織を完全に回復することはでき
ないのです本当に守らなければいけない組織はどこなのか、それは健康な天然組織だと私は考えますこれらに気づくために噛み合わせのチェックはもちろん、定期的なレントゲン診査、歯周病の検査等で骨や顎の関節など総合的にメインテナンスを受けることを推奨いたします
📍上越市 高田
医療法人社団 三上歯科医院
2023年02月25日インプラント-歯を失った場所への治療法-
歯を失ってしまった場所への治療には従来の入れ歯、ブリッジといった方法の他にインプラントという方法があります。
保険外診療となるインプラントですが、入れ歯やブリッジの治療後に不自由がある方は検討する価値は十分あるかもしれません。
歯科用インプラントとは顎の骨にチタン合金でできた人工歯根を埋め込む手術を行い、噛み合わせわ再建します。
インプラントは歯周病や虫歯、事故などで歯を失った方や先天性に歯が無い方などにも適応し、一本の歯を失った場合から歯が一本も無い場合にまで対応することが可能となっています。
インプラントは外科的手術が必要なため、顎の骨少ないまたは丈夫ではない方や全身状態が悪い方には治療をお勧めしないケースもあります。
既往歴として糖尿病、高血圧症、循環器疾患、呼吸器疾患、骨粗鬆症などの疾患をお持ちの方は注意が必要です。口腔内においては歯周病などのある方はインプラント施術前に歯周治療が必要となるケースが多いです。
歯の喪失部への治療の違い
歯を失ってしまった部分の噛み合わせの回復には『インプラント』『入れ歯』『ブリッジ』といった方法がありますが、それぞれどのような治療なのでしょうか。
『インプラント』
インプラントは歯の喪失部の骨にチタンまたはチタン合金でできた人工歯根(インプラント体)を埋め込む手術を行い、その上から被せ物や義歯を被せて噛み合わせを回復します。
(インプラント体と他のパーツが一体化したワンピースタイプのインプラントも存在します)
インプラントは骨と直接固定されるため、本来の自分の歯のような感覚で噛むことが可能です。また被せ物にセラミックやジルコニアを用いれば見た目も天然歯に限りなく近づけるためナチュラルな仕上がりにできます。
デメリットとしては治療費が高額なことと、治療期間が他の治療よりも長いことです。
治療費に関しては保険適応外となります。
治療期間はインプラントをが骨に定着する時間が必要です。骨の場所や患者さんの全身状況などにより異なりますが4〜6ヶ月程度かかります。
『入れ歯(義歯)』
入れ歯は取り外し可能な装置です。喪失部への最もポピュラーな治療とも言えるでしょう。
入れ歯の中には歯が残っている場合に使う部分入れ歯と全く歯がない場合に使用する総入れ歯があります。
入れ歯のメリットとしては周りの歯をあまり削らずに回復できる点です。また取り外し式なのでお手入れはし易いでしょう。また保険治療であれば費用的負担も比較的少ないです。(保険適応外の入れ歯もあります)
デメリットとしては装着時の違和感が他の治療に比べて大きい。食事や会話の時に動き易いといった点でしょう。また、毎日、外してお手入れをする必要があるといった点も負担として感じ易い点かもしれません。
『ブリッジ』
ブリッジは喪失した部位の隣の歯を削って土台とし、橋をかけるように歯を繋いだ一体型の冠を取り付ける固定式の装置です。
メリットは入れ歯と違い固定式であり、インプラントのような外科手術が必要ないというところです。
デメリットとしては周囲の健全な組織を削らなくてはいけない場合があることです。
費用は保険適応か否か金額に幅があるため術前に歯科医院に確認するのが良いでしょう。
📍上越市 高田
医療法人社団 三上歯科医院
2023年02月23日口腔外傷
今回は口腔外傷に関して話です
不意な転倒やスポーツなどでの接触での口の外傷も頻度は少なくはありません。特に多いのは前歯の脱臼や破折です
こういった外傷はどれだけ早く適切な処置ができるかで歯や歯の神経を保存できるかといったところで予後に大きく差が出てしまいます。怪我の際には早急に近隣の歯科医院に受診することをお勧めします
またぶつけた際にめまいや嘔吐などの症状がある場合にはまず病院にかかることをお勧めします。稀に軽い脳震盪などを起こしている場合があるからです。
実際の処置では歯の脱臼や脱落の場合、もとの場所に戻すだけでなく必要に応じて隣の歯と固定が必要になることがあります。完全に脱臼して脱落した場合にも条件が良ければ、歯を元に戻せるだけでなく神経も保存できる場合があります
歯が破折した場合には欠けた歯を接着して戻したり、神経が露出している場合でも条件次第では一部の神経を保存できたりする場合もあります。折れた場合には欠けた歯は処分せずに医院へ持参して下さい。
歯の外傷の場合、最悪の場合には抜歯が選択されることや神経を取る場合はありますが、まずはいかに組織を残すかというところが大切です。神経を取る、取らないの判断については、外傷直後は一時的に神経の反応がなくても神経が生きていたり、逆に時間とともに神経が死んでしまう場合がありますので、早急な判断というよりは経過を慎重に見ながら判断(待機的診断)することが重要です
今回は歯の外傷にフォーカスを当てて話しましたが唇や粘膜の裂傷に関しても止血や縫合が必要な場合がありますので早急に近隣の歯科医院で対応してもらうことをお勧め致します
冒頭に話しましたが、外傷においてスピードと的確な診断が大切です。組織保存、発育、将来の審美的要因に大きく関わりますので注意ください。
📍上越市 高田
医療法人社団 三上歯科医院
2023年02月22日顎関節症
『あごを開けると痛い』『口が開かなくなった』『あごが音が鳴る』なんて症状が出たことはありませんか?
もしかしたら、それは顎関節症かもしれませんね。
顎関節症とは顎関節や咀嚼筋の痛み、開閉口時の痛みや雑音、顎運動の異常など顎の関節にまつわる症状を広く言い表します。
顎自体に症状が無くとも、噛み合わせの違和感や耳症状、頭痛や肩凝りなど顎以外に症状が出ている場合もあります。
自覚症状があると来院されるケースが多いですが、実は無自覚なまま疾患を有している方も多くいらっしゃいます。
痛みを伴う症状は10代〜20代で多く認めますが、どの年代でも症状をお持ちの方は多いです。
顎関節症の代表的な症状
・顎関節(耳の前方あたり)に違和感を感じる、または痛みがある。
・口を動かすと顎に痛みや違和感がある。
・口を開けたり閉じたりする際に『コリッ』『カックン』と音が鳴る。
・口を開けたり閉じたりする際にスムーズに動かない。
・口が左右にうまく動かない。
このような症状は顎関節症を疑います。症状には波があるこが多く、症状が出たり消えたりすることも多々あります。
また顎関節以外にも症状が出ることもあります。
・耳鳴り、めまい
・偏頭痛
・肩こり、腰痛
このような症状は別な疾患においても発現する症状ではありますが、顎関節症が関わっている場合もありますので他の診療科で原因が不明な場合には歯科を受診するのも良いでしょう。
ではどうして顎関節症が起こるのでしょうか?
顎関節症の原因
症状が出る原因としては噛み合わせのバランスが悪い、歯軋り、食いしばり、ストレスによる筋肉の緊張、姿勢不良などさまざまありますが、未だ解明できていない点も多いのが現実です。
顎関節症の主な原因
・急激なストレス
・歯軋り、食いしばり
・うつ伏せ寝
・頬杖
・姿勢のバランスが悪い
・噛み合わせが悪い、被せ物や入れ歯が合わない
では症状が出てしまった場合にはどのように対処したら良いのでしょう。
顎関節症の治療法
軽度の症状の場合には、ストレスの発散や頬杖やうつ伏せ寝などの悪習慣を意識して止めることだけでも改善することがあります。
例えば、テスト期間中の学生さんで症状が出た方もいます。流石にこの時期にいきなりストレスフリーとは行きませんが、勉強中の頬杖や机でのうつ伏せ寝なんかを少し止めるだけで、すぐ改善する場合があります。
筋肉の緊張がある方は咀嚼筋マッサージも効果的です。湯船に浸かったり、お風呂上がりなど血流が良いときに行うとより効果的です。また開口を少し指で押しながら補助し首を後屈させるなど顎や首周りの筋肉をストレッチするのも状況によっては効果的でお勧めすることがあります。過度な筋肉の緊張で痛みになっている場合には一時的に処方で落ち着かせる事もあります。
顎の症状が強かったり歯軋りや食いしばりがある場合にはスプリントなどのマウスピースを作り、顎の位置を誘導したり、噛み締めの緩和剤となってもらう場合もあります。
歯を抜いてそのままになっていたり、被せや入れ歯が合っていない場合には噛み合わせの回復を図る再建治療を施さないと根本的な解決とは至らない場合が多いです。人工物での回復なので定期的なバランス調整が予後の鍵を握ります。
歯科での治療
・マウスピース
・既存の噛み合わせの調整
・噛み合わせの回復(補綴治療など)
・理学療法(温熱、電気など)
・外科的治療(重度の場合のみ)
自身での改善方法
・悪習癖、体癖の改善。(頬杖、うつ伏せ寝、脚組みなど)
・咀嚼筋マッサージ、ストレッチなど
・開講訓練)
・ストレス発散
・口を閉じ、歯を接触させないリラックスしたポジションを取る。
(歯は食事や会話で接触し、正常時で一日平均20分程度しか当たっていません)
顎の症状は突然やってくる時があります。まずは歯科医院に相談してみましょう。
三上歯科医院ではなかなか原因の分かりにくい顎関節症や、治りにくい症状の治療に長年携わっています。中には仕事など日常生活にまで支障をきたしている方の解決を助力させていただいてきています。
お悩みの方は是非一度、ご相談ください。
📍上越市 高田
医療法人社団 三上歯科医院
2023年02月19日モンダミンハビットプロ
》モンダミンハビットプロ《
今回紹介するのは歯科医院専売のモンダミンです💁🏻♂️
ノンアルコールですのでピリピリ刺激の強い洗口剤が苦手な方でも使いやすいです✨
予防効果が高く、治療中の方にもお勧めです。虫歯、歯周病治療だけでなく、審美歯科治療中の仮歯の状態や矯正治療中、インプラント治療を受けている方にも有効です。
効能
・歯茎の炎症を予防
・歯垢が付きにくくなる(ツルツルになる)
・口臭予防
薬用成分
・グリチルリン酸カリウム(GK2) 歯茎の腫れと炎症を防止
・トラネキサム酸(TXA) 歯茎の出血うを防ぐ
・塩化チセルピリジニウム(CPC) 原因菌の殺菌
天然ミントを使用していることもあり、味も従来の洗口液のような科学的な味はあまりしない印象があります👌
毎日、使い続けることに配慮された味付けだと感じます🌿
ドラッグストアにも豊富な口腔ケアグッズが揃えられていますが、なかなか自分に合ったものを選ぶことができている方は少ないです。
自分の口に適正な物を歯科医院で処方してもらうことをお勧めしています。効果ももちろん大事ですが、継続して使用できる味に出会うことが大切だと個人的には思います。
📍上越市 高田
医療法人社団 三上歯科医院
2023年02月18日お口の定期検診
皆さんは歯科医院でメインテナンスは受けていますか?日本でも予防歯科は徐々に浸透してきたことで、お口の中への予防意識は高まってきています。
では何故、家で歯磨きをしているのに、お口のメインテナンスは必要なのでしょうか?
それは家でのオーラルケアだけではコントロールできないものがあるからです。
メインテナンスで重要になるものは、大きく分けて、虫歯、歯周病、噛み合わせ(咬合)といったところです。
虫歯の予防という観点からいくと、子供の虫歯予防をイメージされる方が多いかと思います。確かに虫歯が進行しやすい時期などもありますが、虫歯の予防の必要は大人にもあります。
虫歯のリスクは食べる物や生活習慣によっても左右され、お口の中の虫歯菌の量など口腔環境だけの問題ではないことも少なくありません。
仕事や子育てなどで忙しく、お昼の磨く時間がない、夜そのまま寝てしまう、ストレスや緊張で口が乾くなど、環境的要因によって虫歯のリスクが高まってしまう場合もあるのです。
また高齢の方に関して言えば、歯周病によって歯茎が下がって露出した歯根面(歯の根)は虫歯に対する耐性が弱いのです。
年齢は関係なく自分の口腔のリスクタイプを理解して、プロケア、ホームケアをすることが重要なのです。
次に歯周病。歯周病は成人の8割近くが罹患しているとも言われる社会的な疾患なのです。初期段階では全く自覚症状もなく、重度歯周病になり手遅れになってから気づくこともある恐ろしさがあります。歯周病の割合は年齢を重ねるほどに、その割合は多くなります。ですが20代でも気づかないうちに罹患している方もいるのも事実です。
歯周病は重度になると独特の匂いも発する為、口臭にも大きく影響してきます。自覚症状がなくとも周囲の方があなたの口臭を気にしていることもあるでしょう。
またマスク習慣が日常化したことで、自分の息を気にする方も増えてきています。
疾患の予防という意味でも大切ですが、オーラルエチケットの意味でもメインテナンスを考えてはいかがでしょうか。
次に噛み合わせ。噛み合わせと聞くと、歯並びをイメージする方もいるかと思いますが、今回話すのは「噛み合わせの力」に関してです。
噛み合わせの力は食事の際に重要な要素の一つですが、行きすぎた過剰な力は害をなすことがあります。
最近よく悩みを聞くのは歯軋り、食いしばりです。過剰な咬合力により、歯自体に痛みを感じたり、顎が痛いと訴えられる方もいらっしゃいます。噛み合わせのバランスが悪かったり、咀嚼筋という咬む力を発揮する筋肉の緊張があるところはメインテナンスでバランスをとることが大切です。
天然歯も被せ物な詰め物も変化するため、その変化を見定めるこを歯科医院では定期的に行なっているのです。
他にも、唇、舌、頬の粘膜など、腫瘍をはじめとする口腔粘膜疾患は御自信で見つけることの難しいもののチェックなども併せて行っているのです。
さて、噛み合わせや粘膜疾患はさておき、虫歯や歯周病といったものは、家で歯磨きをしているのに何故メインテナンスが必要なのでしょうか?
虫歯、歯周病の原因菌は違えど、根本的な原因は磨き残し(バイオフィルム)です。
家で磨いているし、歯医者行く意味あるの?
あります。
家で「磨いている」とは思いますが、、、
果たして「磨けてますか?」
9割以上の方が磨けていません。正確に言えば磨けていない場所がある、、、といったところでしょうか。
どんなに綺麗にしている方でも口腔全体の数%は磨き残しはあり、100%取りきることなど不可能です。
丁寧にケアしている方こそ、そのことを知っているからこそ必ずメインテナンスにいらっしゃいます。予防のプロである歯科衛生士自身がメインテナンスを受けているのですから間違いありません。
成熟したバイオフィルム(磨き残し)は病原を3〜4ヶ月で持ち始め、ホームケアで取り除くのは不可能なのです。歯科医院で3ヶ月から4ヶ月でメインテナンスを促すのには、そういった裏付けがあるからなのです。
とは言え、メインテナンスは3ヶ月に一回どとしたら年にたったの4回。ホームケアは365日毎日行うので大切なことに変わりはありません。
だからこそ、自分のリスクタイプを知った上で、相性の良い、効果の出るホームケアグッズを使って欲しいと切に願います。
ではメインテナンスで予防すべき事はわかりました。具体的にどう予防していきましょうか。
虫歯については、基本的に磨き残しを取り除ければ原因は除去できますが、先に話した通り、磨き残しは誰にでもあります。そこでよりリスクを回避する為に取り入れたいのが「フッ素」です。
フッ素は歯の組織を強くする効果があり、虫歯菌による酸で歯の組織が溶けにくくなります。歯自体を強くすることで予防するという手段です。
フッ素には他にも虫歯菌の活動を抑制する効果もあります。メインテナンス中の方はもちろん、広範囲で虫歯治療が必要な方にもおすすめしています。
理想的にはホームケアでのフッ素+プロケアでの高濃度フッ素の施術です。ただ、ホームケアでのフッ素の適応に関しては適切なフッ素濃度というものがあります。特に子供のフッ素は濃度を年齢別に見てあげる必要があります。ケアグッズは予防歯科のプロ歯科衛生士に問い合わせ下さい。
次に歯周病ですが、こちらも虫歯同様に根本的原因は磨き残し(バイオフィルム)にありますので、汚れのケアが大切です。
メインテナンスでよく見ているのは歯茎の出血状況です。出血や排膿が見られる箇所は炎症があるサインです。こういった場所では歯茎の深いところ(歯周ポケット)に縁下歯石という黒い歯石がついていることも多く、状況に応じて取り除かなければなりません。これはホームケアでは取れません。
歯茎の深い位置で歯周病が進行してしまうと、歯周外科処置などの必要があるステージに移行してしまう場合があるので、その前に病態を安定させて留めておきたいものです。
ホームケアでは磨き残しの柔らかい汚れをケアし、歯科医院でのプロケアでは固まった歯石やこびりついたバイオフィルムを除去するといった形が理想といえます。
ホームケア歯磨き粉に関しては歯周病なのにフッ素歯磨き粉を使っていたり、虫歯なのに歯周病予防の歯磨き粉を使ったりと、合っていないケアの仕方をされている方が多数いらっしゃいます。ドラッグストアなどで多くの商品から選択するのは至難です。まずは自分のリスクタイプを知りましょう。
最後に噛み合わせに関してですが、これはホームケアでの予防は難しいので、プロの目で噛み合わせのバランスの異常がないのか診察してもらいましょう。
被せ物なども永久的な素材ではないので劣化します。そのサインを見逃さないようメンテナンスを受けましょう。
噛み合わせに関することで、最近、TCH(歯牙接触癖)の疑いのある方をよくお見かけします。これは、歯牙が長時間、日常的に当たっていることで、歯の痛みや筋肉の強張り、顎関節症状などが現れるものです。
ホームケアできるものとして、歯が当たっていたり、食いしばりに気づいた時、力を抜き歯が当たらないよう心掛けることです。
歯の接触は正常な場合には一日通しても食事や会話の時のみで、わずか20分程度なのです。
ストレスが原因という説もあるのでストレス発散できることをするのも良いでしょう。
その他、メインテナンスで誤解されやすい事だとインプラントや入れ歯にメインテナンスが必要ということです。人工物こそ天然組織に比べ、精巧ではないのでメインテナンスはより大事になることを知ってほしいです。
長々話しましたが、定期的に歯科医院にメインテナンスで通う理由の一部でも伝われば幸いです。
大きな治療になれば保険治療と言えど金銭的負担は多くなります。医療費の負担を減らす意味でも定期的なメインテナンス、長期予後を見据えた治療法の選択を当院では推奨致します。
📍上越市 高田
医療法人社団 三上歯科医院
2023年02月17日高血圧症
今回は高血圧症と歯科治療の関連性についてお話しします。
歯科治療に際して、関係ないと思われがちな全身疾患はたくさんありますが、歯科治療や服薬に関して影響するものもたくさんあります。そういう理由もあり当院では問診にて現病歴や既往歴の確認を行なっています。
その中でも今回は高血圧にフォーカスを当てます。
歯科治療をするにあたって欠かせないのが局所麻酔です。予防処置やホワイトニングなどの審美歯科治療は別として虫歯を取ったり、抜歯をしたりと局所麻酔をする機会は多くあります。この局所麻酔薬には麻酔の持続効果を出すために血管収縮薬が含まれます。そのため麻酔後に一時的に血圧が上がることがありますので血圧の確認を行なっています
また口腔内の外科処置においても血圧は大きく関わります。歯科において抜歯のイメージが強いかもしれませんが、歯周外科や骨造成、インプラント、摘出術などなど様々な外科処置を歯科でも行う場合があります。その際、血圧が高いと出血が止まらなくなってしまったり、術中の侵襲で大きく血圧が上がり血管に大きく負担をかけてしまう場合があります状況次第では外科処置自体を断念せざるを得ない場合もあるのです。
実際、当院でも外科処置をやめたケースがあります。
健全な方でも術中に大きな血圧変動がある場合には注意が必要です。当院では外科処置や高血圧症の方の一般歯科治療においては血圧を測定しながら処置することも多いのでご協力いただいています。
問診において確認できなくとも、自覚症状がなく、血圧測定をしてなかった方で歯科医院で測って見ると高血圧の疑いとして見つかることもあります。歯科から内科へ紹介する場合もあります。
歯科医院においては治療中の体調不良や事故につながらないよう高血圧症に関しては担当医に必ず伝えて下さい。
高血圧症は大きな循環器疾患につながることも多いので、定期的な検診で確認することが大切です。
歯科医という立場から予防歯科を推すことが多いですが、予防医学も非常に重要です
予防医学の考えが上越でももっと広まることを願っています。
📍上越市 高田
医療法人社団 三上歯科医院
2023年02月16日インプラントの適応年齢について
歯科用インプラントは口腔内状態、全身状態によって適応の可否が分かれてきますが、年齢的な時期にも注意が必要です。
高齢になるにつれて、外科処置であるインプラントはリスクは上がってきますが身体の状態次第では適応できる場合があります。ただインプラント治療を受ける場合にはライフステージを考慮した予後のケアは十分に相談することを勧めます。
また若年者も注意が必要な年齢です。基本的に成長期にある若年者はインプラントは適応しないと考えた方が良いでしょう。(※矯正用インプラントなど適応すべき場合もございます。)
成長期にインプラントを行なった場合、インプラントは人工物なので動きはありませんが、骨や周囲の組織は成長とともに動きが出てきてしまいますので、インプラントだけが成長動きに対し取り残されてしまいます。成長期に前歯にインプラントをしてしまえば、将来的に歯茎の位置が合わずに見た目が不揃いになるだけでなく、骨も不揃いになるため、再治療したとしてもその難易度は格段に上がってしまうことでしょう。
不慮の事故などで歯を喪失した症例などでは、成長期の間、不便ではありますが一時的に仮歯や入れ歯として、成長がある程度止まってからインプラントを選択する方が良いでしょう。
若年者に限らず、成人、高齢者も少しづつ生体組織は変化が起こります。
インプラントはあくまで生体に入れる人工材料。周囲の天然組織は必ず変化するということを私たち術者は忘れてはいけません。
上越市にもインプラントを取り扱う歯科医院は多くあります。まずは歯医者へ相談しましょう。説明に納得いかない時には積極的にセカンドピニオンを使うことを推奨します。
📍上越市 高田
医療法人社団 三上歯科医院