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2023年05月24日認知症と口腔
認知症
認知症と口腔の関連性にはいくつかの側面があります。以下に説明します。
- 口腔健康と認知機能の関係:
- 研究によれば、口腔の健康状態が認知機能と関連していることが示されています。歯周病や虫歯などの口腔疾患が存在すると、認知機能の低下や認知症のリスクが増加する可能性があります。口腔炎症や感染症が全身への炎症反応を引き起こし、脳に悪影響を及ぼすことが考えられています。
- 口腔衛生習慣と認知症の関係:
- 良好な口腔衛生習慣は、認知症の予防や進行の抑制に役立つ可能性があります。口腔内の細菌や炎症物質が全身に広がることを防ぐため、定期的な歯磨きや歯科検診は重要です。口腔衛生が悪化すると、認知症のリスクが増加する可能性があるという研究結果も報告されています。
- 嚥下困難と認知症の関係:
- 認知症の人々は嚥下(飲み込み)の問題を抱えることがあります。口腔の筋肉の制御が低下し、食べ物や唾液の嚥下が困難になることがあります。これは誤嚥(食べ物や液体が気管に入ること)のリスクを高め、肺炎や栄養不良などの合併症を引き起こす可能性があります。
- 言語機能と口腔の関連:
- 認知症の進行によって、言語機能の低下や失語症(言葉を理解・使用する障害)が生じることがあります。口腔内の筋肉や舌の運動能力が低下することで、発話や言語理解に問題が生じることがあります。
これらの関連性から、口腔の健康状態は認知症の予防や管理において重要です。口腔の健康状態を維持することで、認知症のリスクを減少させることが期待されます。以下に具体的な対策や注意点を挙げます。
- 定期的な歯磨きと歯科検診: 歯磨きは歯垢や歯石を除去し、口腔内の細菌の繁殖を防ぎます。歯科検診では早期の口腔疾患の発見や治療が行われます。定期的な歯科医の診察を受け、適切な口腔衛生習慣を実践しましょう。
- 健康的な食事: 栄養バランスのとれた食事は口腔の健康維持に重要です。特に食物の咀嚼や嚥下に困難を抱える場合は、柔らかい食材や調理方法の工夫が必要です。
- 嚥下の問題への対応: 認知症の人々が安全に食事を摂るためには、嚥下の問題に対応する必要があります。食事のテクスチャの調整や飲み物のとり方など、専門家の指導を受けながら適切な対策を取りましょう。
- 言語療法: 認知症に伴う言語機能の低下や失語症には、言語療法が有効です。言語療法士との協力により、口腔の筋肉や発話能力を改善するトレーニングやコミュニケーション支援が行われます。
口腔の健康は全身の健康と密接に関連しており、認知症の予防や進行の管理において重要な要素となります。定期的な口腔ケアと医師や歯科医との協力を通じて、口腔の健康を維持することが大切です。
📍上越市 高田
医療法人社団 三上歯科医院
2023年05月20日骨粗鬆症
骨粗鬆症
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨組織が脆弱になり、骨密度が低下する骨代謝の異常状態です。通常、骨は骨細胞のバランスによって新しい骨が生成され、古い骨が吸収される過程が繰り返されることで健康的な状態を保っています。しかし、骨粗鬆症では骨吸収の方が骨形成を上回るため、骨密度が減少し、骨がもろくなります。
骨粗鬆症は、加齢、女性ホルモンの減少(特に閉経後)、遺伝的要因、栄養不良、身体活動の不足などさまざまな要因が関与して発症する可能性があります。この状態は一般的に無症状で進行し、骨折のリスクが高くなります。特に、脊椎骨折や大腿骨折は骨粗鬆症による骨のもろさが原因で生じることが多いです。
歯科治療においても骨粗鬆症は重要な要素です。歯は骨に支えられており、骨粗鬆症の進行によって骨密度が低下すると、歯周組織の安定性が損なわれます。その結果、歯が抜けやすくなる可能性があります。
骨粗鬆症の患者は、歯科治療において次のような注意が必要です:
- 口腔衛生の維持:骨粗鬆症の患者は歯周病にかかりやすいため、定期的な歯磨きやフロスの使用など、適切な口腔衛生の習慣を保つことが重要です。
- 歯周病治療:歯周病が進行している場合、歯周ポケットや歯石の取り除きなどの歯周病治療が必要です。これにより、歯の支持組織の状態を改善し、歯を保持するための基盤を整えることができます。
- インプラント治療:骨粗鬆症による骨の減少が進んでいる場合、歯を失った箇所にインプラントを挿入する治療が考慮されることがあります。しかし、骨粗鬆症の患者では骨の質や量が低下しているため、インプラント手術の成功率や治癒過程に関しては注意が必要です。治療計画を立案する際には、歯科医師とよく相談し、骨の状態や治療の適応性を評価する必要があります。
- 抜歯と骨の補填:骨粗鬆症の進行によって歯が抜歯される場合、骨の補填が必要な場合があります。これにより、抜歯部位の骨の形成や骨の安定性を高めることができます。骨の補填材料としては、自家骨移植や人工骨などが使用されることがあります。
骨粗鬆症の患者の歯科治療においては、患者の骨密度の状態や一般的な健康状態を考慮しながら、個別の治療計画が立てられます。また、骨粗鬆症の治療自体も重要です。骨粗鬆症の進行を遅らせたり、骨密度を改善するために、適切な薬物療法や栄養療法、適度な運動などが行われることがあります。
ただし、骨粗鬆症と歯科治療に関する具体的な詳細や適切な治療法については、患者の個別の状態や歯科医師の指示に基づいて判断されるべきです。必ず専門の歯科医師に相談し、適切なケアや治療を受けるようにしてください。
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医療法人社団 三上歯科医院
2023年05月18日入れ歯(義歯)について
入れ歯
入れ歯は、歯を失った部分に人工の歯を装着する補綴治療法の一つです。入れ歯は見た目や噛む機能の回復、発音の改善などの面で大きな利点があります。以下に、入れ歯と健康に関連する情報を提供します。
- 噛む機能の回復:入れ歯は、歯を失った箇所に歯を補うことで噛む機能を回復する役割を果たします。正しい咀嚼によって食物を適切に消化し、栄養の吸収を促進します。
- 話す能力の改善:入れ歯は、歯の欠損によって引き起こされる発音の問題を改善する助けとなります。欠損した歯によって音の発しやすさや明瞭さが低下することがありますが、入れ歯が正しい咬合を提供することで発音を改善できます。
- 外見の美容面:入れ歯は、歯の欠損による顔の形態や口元の崩れを改善し、外見的な美しさを取り戻すことができます。
- 自信の回復:入れ歯によって歯の欠損を補うことで、笑顔を取り戻し自信を回復することができます。歯の喪失は社会的な影響も及ぼすことがありますが、入れ歯はそれを緩和する助けとなります。
健康面においては、以下の点に留意する必要があります:
- 口腔衛生の維持:入れ歯を使用する場合でも、口腔衛生は非常に重要です。入れ歯は歯垢や食物の付着しやすい場所ですので、取り外して適切に清掃し、入れ歯をきれいに保つことが必要です。また、入れ歯を装着する前後の自然歯や歯肉のケアも欠かさないようにしましょう。
- 定期的な歯科検診:入れ歯を使用している場合でも、定期的な歯科検診を受けることが重要です。歯科医師は入れ歯の状態や適切なフィット感を評価し、必要に応じて調整や修理を行います。定期的な検診によって、入れ歯の状態を確認し、早期に問題を発見して適切に対処することができます。
- 入れ歯の適切な清掃と保管:入れ歯は清潔に保つことが重要です。入れ歯を取り外して歯ブラシや特別な入れ歯用のクリーナーを使用して清掃しましょう。また、入れ歯を保管する際には、乾燥させずに水や専用の保管液に浸けることが推奨されます。適切な清掃と保管によって、入れ歯の衛生状態を維持し、口内の感染や口臭のリスクを低減することができます。
- 不適切なフィット感や痛みの確認:入れ歯が不適切なフィット感や痛みを引き起こしている場合は、すぐに歯科医師に相談しましょう。入れ歯が正しくフィットしていないと、歯ぐきや口内組織に圧力がかかり、潰瘍や損傷を引き起こす可能性があります。適切なフィット感と快適性を確保するために、必要な調整や修理を専門家に依頼しましょう。
- 食事の調整:入れ歯を使用する際には、硬い・粘り気のある食べ物や小さな食べ物のかみ砕きが必要になる場合があります。入れ歯を適切に使用して、食事の摂取を円滑に行うために、適切な食事の調整や食べ方の工夫が重要です。
入れ歯のフィット感や状態を確認し、早期に問題を解決することができます。また、入れ歯の適切な清掃と保管、口腔衛生の維持なども忘れずに行いましょう。
さらに、入れ歯を使用する場合には、以下の点にも留意してください:
- 歯科医師との定期的な相談:入れ歯の適切な管理とメンテナンスに加えて、歯科医師との定期的な相談も重要です。入れ歯の状態や口内の変化、痛みや不快感の出現など、歯科医師に報告し、適切なアドバイスや治療を受けることが必要です。
- 入れ歯の交換時期の把握:入れ歯は使用していくうちに摩耗や変形が生じる場合があります。そのため、定期的に入れ歯の交換時期を確認しましょう。入れ歯が劣化している場合は、新しい入れ歯への交換を検討する必要があります。
- 口腔検診の継続:入れ歯を使用していても、定期的な口腔検診を受けることは重要です。口腔検診では、入れ歯の状態だけでなく、口腔内全体の健康状態や口腔疾患の早期発見・治療も行われます。歯科医師による定期的な口腔検診によって、入れ歯の状態と口腔全体の健康を確認することができます。
- 入れ歯の取り扱いに注意する:入れ歯は取り外して使用するため、取り扱いには注意が必要です。入れ歯を取り外す際や装着する際には、優しく取り扱い、力任せに扱わないようにしましょう。また、入れ歯を落としたり破損させないように、慎重に取り扱ってください。
- 入れ歯の寿命と更新:入れ歯には寿命があり、通常は5年から10年程度の使用を目安とされています。しかし、個人の口腔状態や入れ歯のメンテナンス次第で異なる場合があります。入れ歯の寿命を超えると、フィット感や機能性が低下する可能性がありますので、定期的な歯科医師の診察を受け、入れ歯の寿命や更新のタイミングについて相談しましょう。
- 以上が、入れ歯と健康に関する一般的な情報です。入れ歯の正しい管理と適切なケアは、快適で健康な口腔状態を維持するために重要です。個別の状況に応じて、歯科医師との相談や指示に従うことが大切です。
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2023年05月16日オーラルフレイルとは
オーラルフレイル(Oral frailty)は、口腔の健康状態の低下に関連した概念です。高齢者に特に見られる状態であり、口腔の機能が低下し、噛む力や飲み込む能力、話す能力が制約されることを指します。
オーラルフレイルの主な要因としては、以下のようなものがあります:
- 歯科問題:虫歯、歯周病、入れ歯の適合性の低下など、口腔の健康に関連する問題がオーラルフレイルを引き起こす可能性があります。
- 口腔筋肉の低下:口腔周囲の筋肉が弱体化することで、噛む力や飲み込む能力が低下します。
- 口腔粘膜の変化:高齢に伴い、口腔粘膜が薄くなったり乾燥したりすることで、嚥下や発音に問題が生じる場合があります。
- 口腔感覚の低下:舌や口腔内の感覚が鈍くなることで、噛む力や飲み込む能力が低下します。
オーラルフレイルが進行すると、栄養摂取や食事の質が低下し、体重減少や栄養不足などの健康リスクが増加する可能性があります。また、話す能力の低下や口腔の痛みにより、社会的な孤立や心理的な影響も生じることがあります。
オーラルフレイルの予防や管理には、定期的な歯科検診と適切な口腔ケアが重要です。また、バランスのとれた食事や必要な栄養素の摂取、口腔筋肉のトレーニング、適切な入れ歯の使用なども推奨されます。歯科医師や歯科衛生士との協力が重要です。
オーラルフレイルについては、口腔の健康に関心を持ち、早期に問題を発見し、適切なケアを行うことが重要です。医療専門家との相談やアドバイスを受けることをおすすめします。
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2023年05月15日マイクロスコープ
マイクロスコープは、歯科医師が根管治療やその他の歯科手術を行う際に使用される特殊な顕微鏡です。従来の顕微鏡と比べて倍率が高く、照明や拡大鏡などの特殊な機能が備わっています。これにより、歯の内部構造や根管システムをより詳細に観察することができます。
根管治療は、歯の神経内部にある感染や損傷を修復する治療法です。通常、虫歯や歯の損傷によって神経が感染し、根管内に細菌が繁殖することがあります。これにより痛みや腫れが引き起こされることがあります。根管治療では、感染した神経組織を取り除き、根管をクリーニングして消毒します。そして、根管内に詰め物を充填し、歯を保護するために被せ物やクラウンを取り付けることがあります。
マイクロスコープを使用することで、歯科医師は根管治療をより正確に行うことができます。マイクロスコープは歯の内部に照明を提供し、高倍率で拡大することができるため、根管内の細部や微細な解剖学的構造を明確に視覚化することができます。これにより、歯科医師はより確実に感染部位を特定し、適切に根管を処理することができます。
また、マイクロスコープは根管治療の精度や効果を向上させるだけでなく、患者の快適さも向上させることができます。高倍率の拡大により、歯科医師はより正確な手順を実行することができ、患者に対する侵襲を最小限に抑えることができます。
マイクロスコープは歯科医療の一部として、根管治療やその他の手術に広く使用されています。
マイクロスコープを使用することで、以下のような利点があります。
- 正確な診断と治療計画: マイクロスコープは高倍率で拡大することができるため、歯の内部構造や根管システムをより詳細に観察することができます。これにより、歯科医師はより正確な診断を行い、適切な治療計画を立てることができます。
- 微細な処置の実行: マイクロスコープは微細な解剖学的構造を明確に視覚化することができるため、歯科医師はより正確な手順を実行することができます。細かい根管の形状や障害物を特定し、適切に処理することができます。
- 効果的な根管のクリーニングと消毒: マイクロスコープを使用することで、歯科医師は根管内部をより効果的にクリーニングし、消毒することができます。微細な器具や洗浄液を使用して、細菌や感染源を根絶することができます。
- 患者の快適性の向上: マイクロスコープの使用により、歯科医師はより正確な手順を行い、患者に対する侵襲を最小限に抑えることができます。また、根管治療の成功率が向上することにより、患者の痛みや不快感を軽減することができます。
マイクロスコープは、高度な根管治療や歯科手術において非常に有用なツールです。ただし、すべての歯科医院でマイクロスコープが使用されているわけではありません。マイクロスコープを使用するかどうかは、歯科医師や歯科医院の方針によって異なります。したがって、根管治療を受ける際には、歯科医師と相談し、治療計画や使用する器具について詳しく説明を受けることをおすすめします。
📍上越市 高田
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2023年05月12日歯周病と全身疾患の関連性
歯周病と全身疾患
歯周病と全身疾患の関連性は、科学的な研究によって広く認識されています。歯周病は口腔内の細菌感染症であり、歯肉の炎症や歯周組織の破壊を引き起こします。以下に、歯周病と一部の全身疾患との関連性について説明します。
- 心血管疾患:
- 歯周病と心血管疾患(心臓病や脳卒中)の関連性が報告されています。歯周病の炎症や細菌が循環系に入り、血管内の炎症や血栓形成を引き起こす可能性があります。また、炎症性物質の産生により、動脈硬化や血管内膜の損傷を促進すると考えられています。
- 糖尿病:
- 歯周病と糖尿病の関連性も注目されています。歯周病による慢性的な炎症や感染は、糖尿病の血糖値の管理を困難にする可能性があります。また、糖尿病における免疫機能の低下や血管障害が、歯周病の進行を促進する可能性も考えられています。
- 妊娠関連の合併症:
- 妊娠中の歯周病は、早産や低出生体重児のリスクを増加させる可能性があります。歯周病による炎症性物質の産生や細菌の循環は、胎盤への影響や全身の炎症応答を引き起こすことが考えられます。
- 呼吸器疾患:
- 歯周病と肺疾患(肺炎や慢性閉塞性肺疾患など)の関連性が報告されています。歯周病の炎症や細菌が呼吸器に影響を与え、呼吸器の感染や炎症を引き起こす可能性があります。
他にも、関節リウマチや腎臓疾患などの全身性疾患と歯周病の関連性が示唆されています。具体的には、以下のような関連が報告されています。
- 関節リウマチ:
- 歯周病と関節リウマチの関連性が示唆されています。歯周病による炎症や細菌感染が免疫系の過剰反応を引き起こし、関節リウマチの発症や進行を促進する可能性があります。
- 腎臓疾患:
- 歯周病と腎臓疾患(慢性腎臓病や腎不全)の関連性が報告されています。歯周病による慢性的な炎症や細菌感染が全身の炎症応答を引き起こし、腎臓に悪影響を与える可能性があります。
これらの関連性は、歯周病による炎症や細菌感染が全身の炎症応答を引き起こすことによる可能性が考えられています。また、免疫系の過剰反応や血管内膜の損傷、血栓形成の促進なども関与しているとされています。
歯周病と全身疾患の関連性は、研究が進められており、そのメカニズムや関連性の詳細はまだ解明されていない部分もあります。しかし、予防的な口腔ケアと定期的な歯科検診は、全身の健康維持に重要な役割を果たすことが示されています。
- 共通のリスク要因:
- 歯周病と一部の全身疾患は、共通のリスク要因を持つことがあります。喫煙、不健康な食生活、肥満、ストレス、免疫機能の低下などは、歯周病と全身疾患の発症リスクを増加させる要因として関連しています。
- 炎症と免疫応答:
- 歯周病における炎症や細菌感染は、全身の炎症応答や免疫応答に影響を与える可能性があります。これにより、慢性的な炎症状態が維持され、全身の臓器や組織に悪影響を及ぼすことが考えられます。
- 口腔細菌の影響:
- 歯周病に関与する口腔細菌は、全身の疾患との関連性が示唆されています。これらの細菌が循環系に入り、悪影響を及ぼす可能性があります。また、口腔細菌による炎症や細菌毒素の産生が全身の炎症応答を引き起こすことも考えられます。
- 口腔ケアと予防:
- 歯周病と全身疾患の関連性を踏まえて、適切な口腔ケアと予防が重要です。日常の歯磨きやフロス使用、定期的な歯科検診、口腔衛生の維持などは、歯周病の予防や進行の抑制に役立ちます。
重要な点として、歯周病と全身疾患の関連性は個人によって異なる場合があります。ただし、定期的な歯科検診と口腔ケアの実施は、全身の健康をサポートするために重要です。また、歯科医師との定期的なコミュニケーションを通じて、歯周病と全身疾患のリスク評価と適切な管理を行うことも重要です。
📍上越市 高田
医療法人社団 三上歯科医院
2023年04月27日糖尿病と歯周病
糖尿病と歯周病
糖尿病と歯周病は、多くの日本人が罹患していることが知られています。特に糖尿病患者は、歯周病の発症リスクが高いと言われています。歯周病は糖尿病の第6の合併症とも言われ、これらの病気は相互に関連し、悪化させる要因となっています。ここでは、糖尿病と歯周病の相互関係について詳しく解説します。また、歯周病を治すために重要な治療法や予防法を紹介し、家庭でできる生活習慣の改善についても解説していきます。糖尿病と歯周病を併発することは大変なことだと思いますが、本記事が健康的な生活を送るための一助になれば幸いです。
歯周病とは何ですか?
歯周病(歯茎の病気)は、歯を取り囲み、安定をもたらす組織、歯茎、支持構造物に影響を及ぼす疾患です。糖尿病の人は、そうでない人に比べて歯周病になりやすいことが確認されています。歯周病は通常5段階で進行し、歯と歯茎に蓄積してプラークを形成する細菌によって引き起こされます。歯周病は早期に治療しないと、歯の喪失、歯肉炎、その他の口腔衛生問題など、さらなる合併症を引き起こす可能性があります。
糖尿病と歯周病の関係について
コントロールされていない糖尿病があると、重度の歯周病のリスクが高まることが研究により明らかになりました。これは、血液中のブドウ糖のレベルの変化、特に、糖の急激な上昇に起因します。これにより、歯肉の炎症が起こりやすくなり、感染症のリスクが高まることで、歯肉組織の細菌を撃退する能力が低下し、歯周病になってしまうことがあります。
歯周病の治療について
歯周病の治療に関しては、糖尿病患者さん、非糖尿病患者さんともに、良好な口腔衛生状態を維持することが重要です。これには、少なくとも1日2回(可能なら3回が望ましい)のブラッシングとフロッシング、そして定期的に歯科医院を訪れてクリーニングとチェックを受けることが含まれます。健康的な食事とライフスタイルは、糖尿病をコントロールし、歯周病のリスクを軽減することにもつながります。さらに、定期的に歯科医院を受診することで、病気の早期診断と早期治療につながります。また、感染症を抑え、治癒を早めるために、特定の抗生物質が処方されることもあります。
歯周病予防のために
歯周病を予防する最も効果的な方法の1つは、健康的なライフスタイルを維持することです。これには、定期的な運動、バランスのとれた食事、喫煙を避け、口腔内の衛生状態を良好に保つことが含まれます。健康的なライフスタイルは、血液中のグルコースレベルをコントロールするのにも役立ちます。さらに、糖尿病患者さんは、処方された薬を正しく服用し、血糖値を定期的にチェックするなど、特別な注意を払う必要があります。
生活習慣の改善
歯周病を予防・治療するためには、糖尿病患者さん、非糖尿病患者さんともに、生活習慣を改善することが重要です。バランスのとれた食事、定期的な運動、喫煙を避け、口腔内の衛生状態を良好に保つことは、その実現に役立ちます。さらに、糖尿病患者さんは、定期的に血糖値をチェックし、処方された薬を服用するなどの特別な予防措置をとる必要があります。
結論
糖尿病と歯周病は密接な関係があり、糖尿病患者さんは歯周病の予防と治療のために、特に注意することが大切です。定期的な口腔衛生と歯科医院への通院、そして健康的なライフスタイルを送ることで、歯周病の重症化リスクを軽減することができます。この記事が、糖尿病と歯周病の関係や予防・治療方法についてご理解いただく上で、お役に立てれば幸いです。
📍上越市 高田
医療法人社団 三上歯科医院
2023年04月22日口腔疾患の予防
歯科は予防が大事なんて話はよく聞くと思いますが、治療の痕跡が多かったり、歯周病が始まったりしている方は特にリスクが高いので注意が必要です。手遅れにならないように少しでも早くメインテナンス(定期検診)を始めましょう。
虫歯が次々にできてつらい、、、なんて事ありませんか。
詰め物や被せ物の周りは、削ったことのない健康な歯に比較して虫歯に弱いことはご存知ですか?
歯と詰め物の継ぎ目には、どんな上手に治療してもミクロの目で見るとギャップ(段差)があり、そこにプラーク(細菌の塊)がたまりやすいからなのです。『被せ物が入れば大丈夫』と油断せず、定期的なメインテナンスで大切な歯を守りましょう。
歯周病も予防が鍵を握ります。
歯周病が進行すると深い歯周ポケットができますが、問題は、治療して炎症が改善した後も歯周ポケットはなかなか浅くならないという点なのです。放置しておくと、歯ブラシの届かない歯周ポケットの奥深くに歯石やプラークが溜まって再発し、重篤になりやすいのです。歯を失わないためには、治療後もメインテナンスを受け、定期的に歯周ポケットの中を綺麗に掃除してもらい再発を防ぎましょう。
歯周病は昨今、全身の様々な疾患への悪影響が判明しています。身体の健康のためにも、歯周病には早急に治療、予防を施しましょう。
📍上越市 高田
医療法人社団 三上歯科医院
2023年03月27日セミナー報告
セミナー報告
週末は秋田のスタディグループ一水会主催のセミナーに参加して参りました。
治療成功に導くプロセスにおいて歯科医師やコデンタルスタッフでのチーム医療の大切さを学びました。
インプラント、咬合、審美歯科など歯科医師と歯科技工士での治療に向けてのディスカッションの大切さを学びました。
インプラントにおいては骨質によってのドリリングや埋入方法の選択の仕方、前歯部インプラントにおいては補綴のゴールから逆算した埋入位置や、歯肉の立ち上がりなどを考慮した埋入の位置関係が大切だと演者の先生方の症例から確認できました。またそれに伴い審美的なゴールへ導くための歯肉移植などのソフトティッシュマネジメントの重要性も学べました。
名だたる先生方の講演は刺激的でした。見た目も機能も美しいゴールに目を向けがちですが、そこに至るまでには医学的根拠や基礎技術の高さが必ずあります。
歯科医療に大切なことを確認できたセミナーでした。
📍上越市 高田
医療法人社団 三上歯科医院
2023年03月15日誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎とは食べ物や唾液が空気の通り道である気道に入り込んでし舞うことで起こる肺炎のことを言います。
この肺炎は自身の口の中の細菌が原因で起こりますので、他者から感染したり、他者に感染させたりするような肺炎ではありません。
誤嚥が最も起き易いのは食事の時です。また、睡眠中にも唾液が肺に流れ込んで起きてしまう事もあります。(不顕性誤嚥)
誤嚥性肺炎のリスクのある方
・食事の際によくむせる方
・高齢者の方
・胃ろうなどの経管栄養法の方
食事自体は口を介さないため一見、無関係に見えますが、むせるなどの症状がなく誤嚥性肺炎を起こしていることがあります。
・脳梗塞などで麻痺のある方
・嘔吐の際
誤嚥性肺炎を予防するには
口腔ケアが重要です。
口の中の細菌により引き起こされる誤嚥性肺炎のリスクを下げるにはまずは口の中の細菌を減らすことが重要です。普段の口腔ケアが最も大切ではありますが、自身で取りきれない汚れは歯科医院でプロケアを受けることをお勧めします。
歯周病があれば細菌の数を減らすために治療する必要があります。虫歯があれば、穴に汚れが停滞してリスクが上がるでしょう。入れ歯も油断なりません。歯がなければ細菌がつくところは無いだろうと思うかもしれませんが、入れ歯自体に細菌は定着します。また歯茎も入れ歯が汚れると真菌というカビが定着しますし、舌の表面も汚れは付いてきます。
これらの汚れがむせた時に肺に入り炎症を起こすのです。
このようにお口の中には細菌が住むところが沢山あります。誤嚥性肺炎を起こさないためにまずは口腔ケアが一番鍵になるのです。
お口の清潔にも気をつける点は何点かあります。
・噛む力や飲み込み機能を維持・向上させるトレーニング(嚥下リハビリテーション)
・よく噛んで、ゆっくり食べる。
・食事中はきちんと座り、よそ見をしないで食べる。
・食後すぐに横にならない。
・話しながら食事をしない。
このようなことをご自身やご家族で注意しながら予防に努めましょう。
口の中や入れ歯のケアは誤嚥性肺炎のリスク回避に直結します。ぜひ歯科医院で相談ください。
📍上越市 高田
医療法人社団 三上歯科医院