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2023年05月24日認知症と口腔

認知症

認知症と口腔の関連性にはいくつかの側面があります。以下に説明します。

  1. 口腔健康と認知機能の関係:
  2. 研究によれば、口腔の健康状態が認知機能と関連していることが示されています。歯周病や虫歯などの口腔疾患が存在すると、認知機能の低下や認知症のリスクが増加する可能性があります。口腔炎症や感染症が全身への炎症反応を引き起こし、脳に悪影響を及ぼすことが考えられています。
  3. 口腔衛生習慣と認知症の関係:
  4. 良好な口腔衛生習慣は、認知症の予防や進行の抑制に役立つ可能性があります。口腔内の細菌や炎症物質が全身に広がることを防ぐため、定期的な歯磨きや歯科検診は重要です。口腔衛生が悪化すると、認知症のリスクが増加する可能性があるという研究結果も報告されています。
  5. 嚥下困難と認知症の関係:
  6. 認知症の人々は嚥下(飲み込み)の問題を抱えることがあります。口腔の筋肉の制御が低下し、食べ物や唾液の嚥下が困難になることがあります。これは誤嚥(食べ物や液体が気管に入ること)のリスクを高め、肺炎や栄養不良などの合併症を引き起こす可能性があります。
  7. 言語機能と口腔の関連:
  8. 認知症の進行によって、言語機能の低下や失語症(言葉を理解・使用する障害)が生じることがあります。口腔内の筋肉や舌の運動能力が低下することで、発話や言語理解に問題が生じることがあります。

これらの関連性から、口腔の健康状態は認知症の予防や管理において重要です。口腔の健康状態を維持することで、認知症のリスクを減少させることが期待されます。以下に具体的な対策や注意点を挙げます。

  • 定期的な歯磨きと歯科検診: 歯磨きは歯垢や歯石を除去し、口腔内の細菌の繁殖を防ぎます。歯科検診では早期の口腔疾患の発見や治療が行われます。定期的な歯科医の診察を受け、適切な口腔衛生習慣を実践しましょう。
  • 健康的な食事: 栄養バランスのとれた食事は口腔の健康維持に重要です。特に食物の咀嚼や嚥下に困難を抱える場合は、柔らかい食材や調理方法の工夫が必要です。
  • 嚥下の問題への対応: 認知症の人々が安全に食事を摂るためには、嚥下の問題に対応する必要があります。食事のテクスチャの調整や飲み物のとり方など、専門家の指導を受けながら適切な対策を取りましょう。
  • 言語療法: 認知症に伴う言語機能の低下や失語症には、言語療法が有効です。言語療法士との協力により、口腔の筋肉や発話能力を改善するトレーニングやコミュニケーション支援が行われます。

口腔の健康は全身の健康と密接に関連しており、認知症の予防や進行の管理において重要な要素となります。定期的な口腔ケアと医師や歯科医との協力を通じて、口腔の健康を維持することが大切です。




 

📍上越市 高田 

医療法人社団  三上歯科医院