ブログBLOG

2023年06月15日骨粗鬆症と歯科治療

骨粗鬆症は、骨組織が骨量や骨密度の減少によって弱くなる状態を指します。この状態は主に加齢によって進行し、骨折や身体機能の低下などのリスクを増大させます。歯科治療においても骨粗鬆症は重要な要素であり、以下にその関連性と考慮すべきポイントをご説明します。

 
  1. 骨粗鬆症は全身性の骨の状態に影響を及ぼすため、口腔内の骨組織にも変化が現れる場合があります。歯の支持組織である顎の骨が弱くなるため、歯の固定力が低下し、歯周病や歯の脱落のリスクが増加することがあります。
  2. 骨粗鬆症の患者に対する歯科治療では、以下の考慮事項が重要です。
    • 抜歯とインプラント治療: 骨粗鬆症の進行により骨量が減少している場合、抜歯後の骨の再生能力が低下する可能性があります。そのため、インプラント治療の適応や手術の成功率に影響を与えることがあります。事前に患者の骨密度の評価や、インプラント治療の適切な計画立案が必要です。
    • 歯周病治療: 骨粗鬆症と歯周病は相互に関連しており、歯周組織の健康状態を維持することが重要です。定期的な歯科検診と適切な歯周病治療を行い、歯周病の進行を抑えることが必要です。
    • 歯科手術: 骨粗鬆症の患者では、抜歯やインプラント治療などの歯科手術において骨の強度や治癒能力が低下している可能性があります。手術の前後に骨の健康状態を評価し、適した計画的な手術および適切なアフターケアが必要です。また、骨粗鬆症の薬物治療を受けている場合は、その薬物と歯科治療の相互作用についても注意が必要です。
  3. 骨粗鬆症を抱える患者は、歯科医とのコミュニケーションを重視する必要があります。歯科医に骨粗鬆症の診断結果や治療履歴を提供し、個々の状況に合わせた最適な治療計画を立てることが重要です。また、骨粗鬆症の治療を担当する医師との連携も必要となる場合があります。
  4. 骨粗鬆症の進行を抑えるために、予防と口腔ケアが重要です。バランスの取れた食事や適切な栄養摂取、適度な運動、喫煙や過度の飲酒の制限などが推奨されます。また、定期的な歯科検診と歯磨き、歯間クリーニングなどの口腔衛生習慣を維持することも重要です。

結論:

骨粗鬆症は歯科治療において重要な要素です。患者さんの骨密度や治療歴を考慮し、インプラント治療や歯周病治療などの計画を立てる際には、骨粗鬆症の影響を適切に評価する必要があります。患者と歯科医とのコミュニケーションや予防対策、口腔ケアの徹底も不可欠です。これにより、骨粗鬆症を抱える患者の口腔健康と全身の健康を総合的にサポートすることができます。





 

📍上越市 高田 

医療法人社団  三上歯科医院