2023年02月17日高血圧症
今回は高血圧症と歯科治療の関連性についてお話しします。
歯科治療に際して、関係ないと思われがちな全身疾患はたくさんありますが、歯科治療や服薬に関して影響するものもたくさんあります。そういう理由もあり当院では問診にて現病歴や既往歴の確認を行なっています。
その中でも今回は高血圧にフォーカスを当てます。
歯科治療をするにあたって欠かせないのが局所麻酔です。予防処置やホワイトニングなどの審美歯科治療は別として虫歯を取ったり、抜歯をしたりと局所麻酔をする機会は多くあります。この局所麻酔薬には麻酔の持続効果を出すために血管収縮薬が含まれます。そのため麻酔後に一時的に血圧が上がることがありますので血圧の確認を行なっています
また口腔内の外科処置においても血圧は大きく関わります。歯科において抜歯のイメージが強いかもしれませんが、歯周外科や骨造成、インプラント、摘出術などなど様々な外科処置を歯科でも行う場合があります。その際、血圧が高いと出血が止まらなくなってしまったり、術中の侵襲で大きく血圧が上がり血管に大きく負担をかけてしまう場合があります状況次第では外科処置自体を断念せざるを得ない場合もあるのです。
実際、当院でも外科処置をやめたケースがあります。
健全な方でも術中に大きな血圧変動がある場合には注意が必要です。当院では外科処置や高血圧症の方の一般歯科治療においては血圧を測定しながら処置することも多いのでご協力いただいています。
問診において確認できなくとも、自覚症状がなく、血圧測定をしてなかった方で歯科医院で測って見ると高血圧の疑いとして見つかることもあります。歯科から内科へ紹介する場合もあります。
歯科医院においては治療中の体調不良や事故につながらないよう高血圧症に関しては担当医に必ず伝えて下さい。
高血圧症は大きな循環器疾患につながることも多いので、定期的な検診で確認することが大切です。
歯科医という立場から予防歯科を推すことが多いですが、予防医学も非常に重要です
予防医学の考えが上越でももっと広まることを願っています。
📍上越市 高田
医療法人社団 三上歯科医院