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2023年05月20日骨粗鬆症

骨粗鬆症

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨組織が脆弱になり、骨密度が低下する骨代謝の異常状態です。通常、骨は骨細胞のバランスによって新しい骨が生成され、古い骨が吸収される過程が繰り返されることで健康的な状態を保っています。しかし、骨粗鬆症では骨吸収の方が骨形成を上回るため、骨密度が減少し、骨がもろくなります。

骨粗鬆症は、加齢、女性ホルモンの減少(特に閉経後)、遺伝的要因、栄養不良、身体活動の不足などさまざまな要因が関与して発症する可能性があります。この状態は一般的に無症状で進行し、骨折のリスクが高くなります。特に、脊椎骨折や大腿骨折は骨粗鬆症による骨のもろさが原因で生じることが多いです。

歯科治療においても骨粗鬆症は重要な要素です。歯は骨に支えられており、骨粗鬆症の進行によって骨密度が低下すると、歯周組織の安定性が損なわれます。その結果、歯が抜けやすくなる可能性があります。

骨粗鬆症の患者は、歯科治療において次のような注意が必要です:

  1. 口腔衛生の維持:骨粗鬆症の患者は歯周病にかかりやすいため、定期的な歯磨きやフロスの使用など、適切な口腔衛生の習慣を保つことが重要です。
  2. 歯周病治療:歯周病が進行している場合、歯周ポケットや歯石の取り除きなどの歯周病治療が必要です。これにより、歯の支持組織の状態を改善し、歯を保持するための基盤を整えることができます。
  3. インプラント治療:骨粗鬆症による骨の減少が進んでいる場合、歯を失った箇所にインプラントを挿入する治療が考慮されることがあります。しかし、骨粗鬆症の患者では骨の質や量が低下しているため、インプラント手術の成功率や治癒過程に関しては注意が必要です。治療計画を立案する際には、歯科医師とよく相談し、骨の状態や治療の適応性を評価する必要があります。
  4. 抜歯と骨の補填:骨粗鬆症の進行によって歯が抜歯される場合、骨の補填が必要な場合があります。これにより、抜歯部位の骨の形成や骨の安定性を高めることができます。骨の補填材料としては、自家骨移植や人工骨などが使用されることがあります。

骨粗鬆症の患者の歯科治療においては、患者の骨密度の状態や一般的な健康状態を考慮しながら、個別の治療計画が立てられます。また、骨粗鬆症の治療自体も重要です。骨粗鬆症の進行を遅らせたり、骨密度を改善するために、適切な薬物療法や栄養療法、適度な運動などが行われることがあります。

ただし、骨粗鬆症と歯科治療に関する具体的な詳細や適切な治療法については、患者の個別の状態や歯科医師の指示に基づいて判断されるべきです。必ず専門の歯科医師に相談し、適切なケアや治療を受けるようにしてください。



 

📍上越市 高田 

医療法人社団  三上歯科医院