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2023年05月16日オーラルフレイルとは

オーラルフレイル(Oral frailty)は、口腔の健康状態の低下に関連した概念です。高齢者に特に見られる状態であり、口腔の機能が低下し、噛む力や飲み込む能力、話す能力が制約されることを指します。

オーラルフレイルの主な要因としては、以下のようなものがあります:

  1. 歯科問題:虫歯、歯周病、入れ歯の適合性の低下など、口腔の健康に関連する問題がオーラルフレイルを引き起こす可能性があります。
  2. 口腔筋肉の低下:口腔周囲の筋肉が弱体化することで、噛む力や飲み込む能力が低下します。
  3. 口腔粘膜の変化:高齢に伴い、口腔粘膜が薄くなったり乾燥したりすることで、嚥下や発音に問題が生じる場合があります。
  4. 口腔感覚の低下:舌や口腔内の感覚が鈍くなることで、噛む力や飲み込む能力が低下します。

オーラルフレイルが進行すると、栄養摂取や食事の質が低下し、体重減少や栄養不足などの健康リスクが増加する可能性があります。また、話す能力の低下や口腔の痛みにより、社会的な孤立や心理的な影響も生じることがあります。

オーラルフレイルの予防や管理には、定期的な歯科検診と適切な口腔ケアが重要です。また、バランスのとれた食事や必要な栄養素の摂取、口腔筋肉のトレーニング、適切な入れ歯の使用なども推奨されます。歯科医師や歯科衛生士との協力が重要です。

オーラルフレイルについては、口腔の健康に関心を持ち、早期に問題を発見し、適切なケアを行うことが重要です。医療専門家との相談やアドバイスを受けることをおすすめします。



 

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2023年05月15日マイクロスコープ

マイクロスコープは、歯科医師が根管治療やその他の歯科手術を行う際に使用される特殊な顕微鏡です。従来の顕微鏡と比べて倍率が高く、照明や拡大鏡などの特殊な機能が備わっています。これにより、歯の内部構造や根管システムをより詳細に観察することができます。

根管治療は、歯の神経内部にある感染や損傷を修復する治療法です。通常、虫歯や歯の損傷によって神経が感染し、根管内に細菌が繁殖することがあります。これにより痛みや腫れが引き起こされることがあります。根管治療では、感染した神経組織を取り除き、根管をクリーニングして消毒します。そして、根管内に詰め物を充填し、歯を保護するために被せ物やクラウンを取り付けることがあります。

マイクロスコープを使用することで、歯科医師は根管治療をより正確に行うことができます。マイクロスコープは歯の内部に照明を提供し、高倍率で拡大することができるため、根管内の細部や微細な解剖学的構造を明確に視覚化することができます。これにより、歯科医師はより確実に感染部位を特定し、適切に根管を処理することができます。

また、マイクロスコープは根管治療の精度や効果を向上させるだけでなく、患者の快適さも向上させることができます。高倍率の拡大により、歯科医師はより正確な手順を実行することができ、患者に対する侵襲を最小限に抑えることができます。

マイクロスコープは歯科医療の一部として、根管治療やその他の手術に広く使用されています。

マイクロスコープを使用することで、以下のような利点があります。

  1. 正確な診断と治療計画: マイクロスコープは高倍率で拡大することができるため、歯の内部構造や根管システムをより詳細に観察することができます。これにより、歯科医師はより正確な診断を行い、適切な治療計画を立てることができます。
  2. 微細な処置の実行: マイクロスコープは微細な解剖学的構造を明確に視覚化することができるため、歯科医師はより正確な手順を実行することができます。細かい根管の形状や障害物を特定し、適切に処理することができます。
  3. 効果的な根管のクリーニングと消毒: マイクロスコープを使用することで、歯科医師は根管内部をより効果的にクリーニングし、消毒することができます。微細な器具や洗浄液を使用して、細菌や感染源を根絶することができます。
  4. 患者の快適性の向上: マイクロスコープの使用により、歯科医師はより正確な手順を行い、患者に対する侵襲を最小限に抑えることができます。また、根管治療の成功率が向上することにより、患者の痛みや不快感を軽減することができます。

マイクロスコープは、高度な根管治療や歯科手術において非常に有用なツールです。ただし、すべての歯科医院でマイクロスコープが使用されているわけではありません。マイクロスコープを使用するかどうかは、歯科医師や歯科医院の方針によって異なります。したがって、根管治療を受ける際には、歯科医師と相談し、治療計画や使用する器具について詳しく説明を受けることをおすすめします。



 

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2023年05月12日歯周病と全身疾患の関連性

歯周病と全身疾患

歯周病と全身疾患の関連性は、科学的な研究によって広く認識されています。歯周病は口腔内の細菌感染症であり、歯肉の炎症や歯周組織の破壊を引き起こします。以下に、歯周病と一部の全身疾患との関連性について説明します。

  1. 心血管疾患:
  2. 歯周病と心血管疾患(心臓病や脳卒中)の関連性が報告されています。歯周病の炎症や細菌が循環系に入り、血管内の炎症や血栓形成を引き起こす可能性があります。また、炎症性物質の産生により、動脈硬化や血管内膜の損傷を促進すると考えられています。
  3. 糖尿病:
  4. 歯周病と糖尿病の関連性も注目されています。歯周病による慢性的な炎症や感染は、糖尿病の血糖値の管理を困難にする可能性があります。また、糖尿病における免疫機能の低下や血管障害が、歯周病の進行を促進する可能性も考えられています。
  5. 妊娠関連の合併症:
  6. 妊娠中の歯周病は、早産や低出生体重児のリスクを増加させる可能性があります。歯周病による炎症性物質の産生や細菌の循環は、胎盤への影響や全身の炎症応答を引き起こすことが考えられます。
  7. 呼吸器疾患:
  8. 歯周病と肺疾患(肺炎や慢性閉塞性肺疾患など)の関連性が報告されています。歯周病の炎症や細菌が呼吸器に影響を与え、呼吸器の感染や炎症を引き起こす可能性があります。


他にも、関節リウマチや腎臓疾患などの全身性疾患と歯周病の関連性が示唆されています。具体的には、以下のような関連が報告されています。

  1. 関節リウマチ:
  2. 歯周病と関節リウマチの関連性が示唆されています。歯周病による炎症や細菌感染が免疫系の過剰反応を引き起こし、関節リウマチの発症や進行を促進する可能性があります。
  3. 腎臓疾患:
  4. 歯周病と腎臓疾患(慢性腎臓病や腎不全)の関連性が報告されています。歯周病による慢性的な炎症や細菌感染が全身の炎症応答を引き起こし、腎臓に悪影響を与える可能性があります。

これらの関連性は、歯周病による炎症や細菌感染が全身の炎症応答を引き起こすことによる可能性が考えられています。また、免疫系の過剰反応や血管内膜の損傷、血栓形成の促進なども関与しているとされています。

歯周病と全身疾患の関連性は、研究が進められており、そのメカニズムや関連性の詳細はまだ解明されていない部分もあります。しかし、予防的な口腔ケアと定期的な歯科検診は、全身の健康維持に重要な役割を果たすことが示されています。

  1. 共通のリスク要因:
  2. 歯周病と一部の全身疾患は、共通のリスク要因を持つことがあります。喫煙、不健康な食生活、肥満、ストレス、免疫機能の低下などは、歯周病と全身疾患の発症リスクを増加させる要因として関連しています。
  3. 炎症と免疫応答:
  4. 歯周病における炎症や細菌感染は、全身の炎症応答や免疫応答に影響を与える可能性があります。これにより、慢性的な炎症状態が維持され、全身の臓器や組織に悪影響を及ぼすことが考えられます。
  5. 口腔細菌の影響:
  6. 歯周病に関与する口腔細菌は、全身の疾患との関連性が示唆されています。これらの細菌が循環系に入り、悪影響を及ぼす可能性があります。また、口腔細菌による炎症や細菌毒素の産生が全身の炎症応答を引き起こすことも考えられます。
  7. 口腔ケアと予防:
  8. 歯周病と全身疾患の関連性を踏まえて、適切な口腔ケアと予防が重要です。日常の歯磨きやフロス使用、定期的な歯科検診、口腔衛生の維持などは、歯周病の予防や進行の抑制に役立ちます。

重要な点として、歯周病と全身疾患の関連性は個人によって異なる場合があります。ただし、定期的な歯科検診と口腔ケアの実施は、全身の健康をサポートするために重要です。また、歯科医師との定期的なコミュニケーションを通じて、歯周病と全身疾患のリスク評価と適切な管理を行うことも重要です。




 

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2023年04月27日糖尿病と歯周病

糖尿病と歯周病

糖尿病と歯周病は、多くの日本人が罹患していることが知られています。特に糖尿病患者は、歯周病の発症リスクが高いと言われています。歯周病は糖尿病の第6の合併症とも言われ、これらの病気は相互に関連し、悪化させる要因となっています。ここでは、糖尿病と歯周病の相互関係について詳しく解説します。また、歯周病を治すために重要な治療法や予防法を紹介し、家庭でできる生活習慣の改善についても解説していきます。糖尿病と歯周病を併発することは大変なことだと思いますが、本記事が健康的な生活を送るための一助になれば幸いです。

歯周病とは何ですか?

歯周病(歯茎の病気)は、歯を取り囲み、安定をもたらす組織、歯茎、支持構造物に影響を及ぼす疾患です。糖尿病の人は、そうでない人に比べて歯周病になりやすいことが確認されています。歯周病は通常5段階で進行し、歯と歯茎に蓄積してプラークを形成する細菌によって引き起こされます。歯周病は早期に治療しないと、歯の喪失、歯肉炎、その他の口腔衛生問題など、さらなる合併症を引き起こす可能性があります。

糖尿病と歯周病の関係について

コントロールされていない糖尿病があると、重度の歯周病のリスクが高まることが研究により明らかになりました。これは、血液中のブドウ糖のレベルの変化、特に、糖の急激な上昇に起因します。これにより、歯肉の炎症が起こりやすくなり、感染症のリスクが高まることで、歯肉組織の細菌を撃退する能力が低下し、歯周病になってしまうことがあります。

歯周病の治療について

歯周病の治療に関しては、糖尿病患者さん、非糖尿病患者さんともに、良好な口腔衛生状態を維持することが重要です。これには、少なくとも1日2回(可能なら3回が望ましい)のブラッシングとフロッシング、そして定期的に歯科医院を訪れてクリーニングとチェックを受けることが含まれます。健康的な食事とライフスタイルは、糖尿病をコントロールし、歯周病のリスクを軽減することにもつながります。さらに、定期的に歯科医院を受診することで、病気の早期診断と早期治療につながります。また、感染症を抑え、治癒を早めるために、特定の抗生物質が処方されることもあります。

歯周病予防のために

歯周病を予防する最も効果的な方法の1つは、健康的なライフスタイルを維持することです。これには、定期的な運動、バランスのとれた食事、喫煙を避け、口腔内の衛生状態を良好に保つことが含まれます。健康的なライフスタイルは、血液中のグルコースレベルをコントロールするのにも役立ちます。さらに、糖尿病患者さんは、処方された薬を正しく服用し、血糖値を定期的にチェックするなど、特別な注意を払う必要があります。

生活習慣の改善

歯周病を予防・治療するためには、糖尿病患者さん、非糖尿病患者さんともに、生活習慣を改善することが重要です。バランスのとれた食事、定期的な運動、喫煙を避け、口腔内の衛生状態を良好に保つことは、その実現に役立ちます。さらに、糖尿病患者さんは、定期的に血糖値をチェックし、処方された薬を服用するなどの特別な予防措置をとる必要があります。

結論

糖尿病と歯周病は密接な関係があり、糖尿病患者さんは歯周病の予防と治療のために、特に注意することが大切です。定期的な口腔衛生と歯科医院への通院、そして健康的なライフスタイルを送ることで、歯周病の重症化リスクを軽減することができます。この記事が、糖尿病と歯周病の関係や予防・治療方法についてご理解いただく上で、お役に立てれば幸いです。



 

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2023年04月22日口腔疾患の予防

歯科は予防が大事なんて話はよく聞くと思いますが、治療の痕跡が多かったり、歯周病が始まったりしている方は特にリスクが高いので注意が必要です。手遅れにならないように少しでも早くメインテナンス(定期検診)を始めましょう。

虫歯が次々にできてつらい、、、なんて事ありませんか。
詰め物や被せ物の周りは、削ったことのない健康な歯に比較して虫歯に弱いことはご存知ですか?
歯と詰め物の継ぎ目には、どんな上手に治療してもミクロの目で見るとギャップ(段差)があり、そこにプラーク(細菌の塊)がたまりやすいからなのです。『被せ物が入れば大丈夫』と油断せず、定期的なメインテナンスで大切な歯を守りましょう。

歯周病も予防が鍵を握ります。
歯周病が進行すると深い歯周ポケットができますが、問題は、治療して炎症が改善した後も歯周ポケットはなかなか浅くならないという点なのです。放置しておくと、歯ブラシの届かない歯周ポケットの奥深くに歯石やプラークが溜まって再発し、重篤になりやすいのです。歯を失わないためには、治療後もメインテナンスを受け、定期的に歯周ポケットの中を綺麗に掃除してもらい再発を防ぎましょう。
歯周病は昨今、全身の様々な疾患への悪影響が判明しています。身体の健康のためにも、歯周病には早急に治療、予防を施しましょう。


 

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2023年03月27日セミナー報告

セミナー報告

週末は秋田のスタディグループ一水会主催のセミナーに参加して参りました。

治療成功に導くプロセスにおいて歯科医師やコデンタルスタッフでのチーム医療の大切さを学びました。

インプラント、咬合、審美歯科など歯科医師と歯科技工士での治療に向けてのディスカッションの大切さを学びました。

インプラントにおいては骨質によってのドリリングや埋入方法の選択の仕方、前歯部インプラントにおいては補綴のゴールから逆算した埋入位置や、歯肉の立ち上がりなどを考慮した埋入の位置関係が大切だと演者の先生方の症例から確認できました。またそれに伴い審美的なゴールへ導くための歯肉移植などのソフトティッシュマネジメントの重要性も学べました。

名だたる先生方の講演は刺激的でした。見た目も機能も美しいゴールに目を向けがちですが、そこに至るまでには医学的根拠や基礎技術の高さが必ずあります。

歯科医療に大切なことを確認できたセミナーでした。




 

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2023年03月15日誤嚥性肺炎 

誤嚥性肺炎とは食べ物や唾液が空気の通り道である気道に入り込んでし舞うことで起こる肺炎のことを言います。

この肺炎は自身の口の中の細菌が原因で起こりますので、他者から感染したり、他者に感染させたりするような肺炎ではありません。

誤嚥が最も起き易いのは食事の時です。また、睡眠中にも唾液が肺に流れ込んで起きてしまう事もあります。(不顕性誤嚥)

誤嚥性肺炎のリスクのある方

・食事の際によくむせる方

・高齢者の方

・胃ろうなどの経管栄養法の方

食事自体は口を介さないため一見、無関係に見えますが、むせるなどの症状がなく誤嚥性肺炎を起こしていることがあります。

・脳梗塞などで麻痺のある方

・嘔吐の際

誤嚥性肺炎を予防するには

口腔ケアが重要です。

口の中の細菌により引き起こされる誤嚥性肺炎のリスクを下げるにはまずは口の中の細菌を減らすことが重要です。普段の口腔ケアが最も大切ではありますが、自身で取りきれない汚れは歯科医院でプロケアを受けることをお勧めします。

歯周病があれば細菌の数を減らすために治療する必要があります。虫歯があれば、穴に汚れが停滞してリスクが上がるでしょう。入れ歯も油断なりません。歯がなければ細菌がつくところは無いだろうと思うかもしれませんが、入れ歯自体に細菌は定着します。また歯茎も入れ歯が汚れると真菌というカビが定着しますし、舌の表面も汚れは付いてきます。

これらの汚れがむせた時に肺に入り炎症を起こすのです。

このようにお口の中には細菌が住むところが沢山あります。誤嚥性肺炎を起こさないためにまずは口腔ケアが一番鍵になるのです。

お口の清潔にも気をつける点は何点かあります。

・噛む力や飲み込み機能を維持・向上させるトレーニング(嚥下リハビリテーション)

・よく噛んで、ゆっくり食べる。

・食事中はきちんと座り、よそ見をしないで食べる。

・食後すぐに横にならない。

・話しながら食事をしない。

このようなことをご自身やご家族で注意しながら予防に努めましょう。

口の中や入れ歯のケアは誤嚥性肺炎のリスク回避に直結します。ぜひ歯科医院で相談ください。




 

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2023年03月01日入れ歯

入れ歯

皆さんのまわりには入れ歯で困っていらっしゃる方はいませんか?

歯を失ってしまった場所の噛み合わせを補うために使用する入れ歯ですが、作り方によってその使い勝手は全く異なります。

使いにくい入れ歯は調整や修理で改善することもありますし、作り直すことで快適さを得られることもあるでしょう。

入れ歯の悩みのある方は歯科医院にて診てもらうことをおすすめします。

歯を失ったままや、入れ歯が合わない状態にしておくと他の歯や歯肉にも影響が出てしまいます。

歯を失ったままにした時、周りの歯は空いたスペースに動き始めてしまいます。左右の歯は歯のないところに倒れ込み、反対側の噛み合うはずの歯が上へ上がってきてしまいます。

これにより口腔内の噛み合わせのバランスが悪くなり、他の歯や歯肉、顎関節など様々な障害の起点となってしまうのです。

入れ歯が合わない場合にも不具合は大きく出ます。

まず噛み合わせに関しては先に述べたように、噛み合わせの不調和が起点となり様々な症状が出てしまいます。

義歯床(歯茎と触れるピンクの部分)のあたりが合ってない方は歯茎が痛い、物が挟まる、入れ歯が取れるといった症状が現れます。

当りが強い場合には小さい傷から潰瘍といった形にもなってしまいます。また慢性的な刺激は腫瘍病変などを作る原因にもなり得るので注意が必要です。

入れ歯に隙間がある場合には会話や食事に影響し、栄養摂取などに影響する事もあるでしょう。

不具合のある時にはまず原因を診てもらいましょう。

歯を失った部位の回復する手法には『入れ歯』『インプラント』『ブリッジ』といった方法がありますが、『入れ歯』にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

メリット

・費用が安い(保険適応の入れ歯であれば費用が抑えられる。)

・隣の歯を大きく削らないで済む。

・広範囲の欠損部であっても対応し易い。

・装着後にも調整が容易。

・修理がきく。

・取り外して洗える。

デメリット

・食べかすが挟まり易い。

・歯肉にのるため違和感を感じ易い。

・部分入れ歯のバネが目立つ。

上記のようなメリット・デメリットを理解した上、噛み合わせの再建は術者とよく相談することをお勧めします。

この入れ歯のデメリットの数点は場合によっては保険適応外の入れ歯で解決できるものもあります。

保険外の総入れ歯の場合、金属床を用いることで入れ歯の厚みを非常に薄くすることが可能です。それにより保険の入れ歯よりも装着感が快適になります。また金属はプラスチックよりも熱伝導率が高いため温度感覚を保ったまま食事ができるというメリットもあります。

デメリットとしては保険の適応にならないので費用的負担が大きくなります。

部分入れ歯の場合には保険適応外のものではノンクラスプデンチャーと言って金属のバネ(クラスプ)を使用しないものや、ホワイトクラスプという白や透明な目立たない残った歯にかけるバネを用いることができます。どちらも見た目や装着感といったところで保険のものよりもメリットがあります。

入れ歯だけに関わらず、保険の治療、保険外診療のメリット・デメリット、その治療の価値などを見極めルことが大切です。術前にしっかりと相談しましょう。

入れ歯は新しくするにしても、今お使いのものを調整するにも歯茎への触れさせ方や噛み合わせの当て方など様々な要素でその快適さは大きく差が出ます。

何度調整してもうまく噛めない、使えないという方は是非一度ご相談ください。




 

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2023年02月28日根面う蝕(根っこの虫歯)

皆さんは根面のむし歯を知っていますか?

今回は皆さんに知っていてほしい、根面のむし歯についてお話します🥺

始めに根面のむし歯とは、歯周病や加齢などにより歯ぐきが下がり、露出した歯の根にできるむし歯のことです。

露出した歯の根面(象牙質)は、ヒトの身体の中で最も硬い組織の歯冠部(エナメル質)よりも軟らかく、酸に弱いことで、むし歯のリスクが非常に高いです💦

そして、、、

根面のむし歯は『とても厄介なむし歯』なのです😔なぜ厄介なのか。大きく分けて5つの理由があります。


 

・早期の発見が難しい

→歯冠部にできるむし歯は、初期の頃は白く濁るため分かりやすいですが、根面の象牙質はもともと黄色みがかっていて、白く濁ることなく、うっすら色が変化する程度のため初期の発見は非常に難しいのです。


 

・自覚症状がないことが多い

→根面のむし歯には、「痛い」「しみる」などの自覚症状がほとんどありません。また、くちびるで隠れる位置にできるため鏡などでも見えづらく、むし歯になっていることに気づかないまま進行していることもあり、気づいた時には歯を残すことが難しくなってしまう場合もあります。


 

・歯ブラシが届きにくい

→根面は歯ブラシが届きにくく、磨き残しが多くなる場所です。当てているつもりでも当たっていないこともあり、セルフケアが難しいです。


 

・歯の象牙質は酸に弱く溶けやすい

→ 歯根を構成する象牙質はエナメル質よりも酸に弱く溶けやすいため、磨き残してしまった細菌の影響も受けやすいです。


 

・治療が難しく、治療後も長持ちしにくい

→根面のむし歯は進行している場合、注意しながら治療器具を当てないと歯が折れてしまったり、歯ぐきで隠れているところに広がっている場合、治療器具が届かず、むし歯を取り除くことも詰め物の治療をすることも難しいです。詰め物の治療が難しい場合、歯の神経の治療をして被せ物を入れることもありますが、被せ物の治療も難しい場合には、抜歯となってしまうこともあります。

また、治療できた歯も以前より弱くなってしまうため、長持ちしにくく、審美性も損なわれてしまうことが多いです。

以上の理由で歯根のう蝕(虫歯)には警戒する必要があるのです。




ではどんな方に根面う蝕が起きやすいのでしょうか?

カリエスリスク(虫歯のリスク)が高い方

虫歯が多発傾向にある方は当然、歯根面の虫歯のリスクが高いです。


治療の痕跡の多い方

治療が施され、虫歯がない状態だとしても、CR(詰め物)、クラウンやインレーといった補綴物(被せ物)が多い方は虫歯ができるような食習慣があり、リスクは高いと言えます。また治療した詰め物や被せ物の境目の部分から虫歯が進行してしまうと直視できない部分で根面う蝕が進み、発見が遅れてしまうことがあります。処置した歯も油断せず、段差など適合の悪い修復物は精度の高いものにやりかえることを、おすすめします。


部分入れ歯を使用中の方

部分入れ歯はバネの欠けている歯の虫歯リスクが高いです。歯と金属のバネ(クラスプ)の接触面はプラーク(磨き残し)が停滞しやすいためリスクが高まります。


歯茎が下がっている方

加齢や歯周病の罹患により歯肉退縮を起こした方は歯根面が歯肉より上に暴露し虫歯のリスクが高まります。重度歯周病の場合、全く虫歯がない方もいますが歯周病治療により歯周病菌が減少し虫歯菌が優位になってくる時期があります。治療により歯肉が引き締まり、歯肉の位置が変化することで虫歯リスクが高まることがあります。治療が終えたあとも安心せず歯周病、虫歯ともにリスク軽減すべく予防が大切です。




では、もし歯根面う蝕が起きたらどうするのか?


軽度の場合

進行が深く進んでいない場合にはCR(詰め物)で対応することができます。被せ物の縁から進行している場合には虫歯を除去し被せなおすことで対応できます。

重度の場合

重度の進行した場合には最悪、抜歯となる場合があります。
ですが、条件次第では歯を残せる場合があります。

・虫歯が深く神経まで達している場合

虫歯が深く神経まで達している場合には抜髄処置(神経をとる)ことで修復できる場合があります。ただし神経を取った歯は歯根破折のリスクが高まりますので治療後は今まで以上に注意が必要です。

・虫歯が歯茎や歯槽骨より深く進行した場合

虫歯が歯茎や歯槽骨より深く進行した場合は抜歯となることが多いですが歯根の長さが長い場合には意図的挺出、歯冠延長術といった術式で保存できる場合もあります。
意図的挺出とは歯を意図的に歯茎や骨の上まで引き上げる術式です。歯茎や骨の深い部分まで進行した虫歯はこのままでは修復不可能なので人為的に歯肉・歯槽骨の上部まで歯を引っ張り上げます。意図的挺出には自然挺出、外科的挺出、矯正的挺出といった手法があります。
自然挺出はその名の通り、自然に挺出させます。虫歯を取り切った状態で放置し、歯の萌出力(歯が生えてこようとする力)を利用して挺出させます。外的な力は与えませんが時間がかかります。また自然な力を利用するため引き上げる方向のコントロールが術者側でし難いデメリットがあります。
次に外科的挺出。こちらは外科的に一度はを抜歯し、健康な歯牙組織が歯肉より上にくる位置で固定する方法です。抜歯後すぐに戻し縫合や接着剤などで位置を固定します。歯が再度生着すれば早い結果を得られるメリットがあります。ただし、抜歯操作時に薄くなった歯質が割れたりし抜歯に至るリスクがあるというデメリットもあります。
最後に矯正的挺出です。こちらは部分的に歯の矯正ワイヤーを利用して歯を挺出させます。ゴムを埋まっている歯につけて牽引します。他の挺出手技し比較して良い点は、引っ張り上げる方向をコントロールしやすい点と安全に引っ張り上げる点です。当院での挺出では一番選択頻度が高いです。デメリットがあるとすれば、外科的挺出に比べると時間がかかる点、またワイヤー装着時期の口腔内の違和感が強いなどといった点でしょう。
この矯正的挺出は審美歯科領域での歯肉ラインのコントロールの際にも応用する場合があります。安全かつ確実に挺出できるため1番のおすすめです。


このように対処の仕方はあるものの治療が複雑になったり、挺出処置のように保険外診療となり医療費の負担が増えてしまう場合もあります。


治療が難しい根面のむし歯に大切なことは、『予防と進行抑制』です。具体的にどんなことをしたらいいのでしょうか。


・歯科医院への定期受診

・歯科医院でのフッ素塗布

・フッ素洗口液や高濃度フッ素入りの歯磨き粉を使用する。

根面のむし歯は早期に発見できるほど歯を長く残せる可能性が高まります。根面のむし歯について知った今、自分自身の歯と向き合ってみませんか?😊




 

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2023年02月27日噛み合わせのバランス

みなさん自分の噛み合わせのチェックはしてもらっていますか?虫歯や歯周病の心配が全くない、被せ物をして完治したという方も噛み合わせのバランスは時々見てもらうことをお勧めします健康な方の天然の歯や被せ物も経年的にすり減ったりと必ず変化が起こってきます。全く症状が無くとも過剰な力がかかっている時にはうっすらひび割れてきたり、欠けたり、歯を支える骨や歯茎に変化をもたらしていることがあります。そんな、ちょっとした変化を確認することで歯が折れて抜くなどといった将来のトラブルを未然に予防することができます。歯科での定期検診は虫歯や歯周病の予防だけではなく噛み合わせもしっかり見てもらいましょう。必要があれば噛み合わせの微調整をして全体の咬合バランスをとります特にインプラント治療をしていたり、ジルコニアなどの硬い被せ物をしている方々は細かいチェックが必要です確かに骨と強固にくっついているインプラントや非常に硬い被せ物などは力がかかり過ぎても壊れたりしないので長持ちします。では過剰にかかった力の負担はどこに行くのでしょう?それはその歯やインプラントを支える歯根(歯の根の部分)や骨などの組織またはその歯と噛み合っている歯です力に耐えられずに被せ物が壊れ分には作り換えで済みますが歯根が折れたり、骨が吸収してしまった場合にはその組織を完全に回復することはでき
ないのです本当に守らなければいけない組織はどこなのか、それは健康な天然組織だと私は考えますこれらに気づくために噛み合わせのチェックはもちろん、定期的なレントゲン診査、歯周病の検査等で骨や顎の関節など総合的にメインテナンスを受けることを推奨いたします



 

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